建設的な姿勢をつらぬこう

自己イメージは自分自身に対するリアリティそのものです。

前回の記事で説明したように、その自己イメージは、周りの人たちから言われた言葉や、教えられてきたもの、経験などを通して出来上がります。脳は、自己イメージに合わない出来事や言葉を、無意識になかったものとして処理をしてしまいます。ネガティブな自己イメージを持っていたら、ポジティブな出来事や人から褒められた時に、「そんなはずはない」と心の中で否定をしてなかったことにしてしまうのです。だからこそ、常にポジティブな考えでいること、建設的な姿勢を保つことが重要なのです。

自分の信念に合わないものもまた脳は排除しようとします。脳は集中している事柄以外のものを自然と無視をします。この働きはロックアウトと呼ばれ、私たちの生活の中でプラスにもマイナスにも作用します。

何かの勉強や会議に集中したい時には、このロックアウトの機能はプラスに作用します。受験勉強に集中している時などは、周りの喧騒は自然と聞こえなくなりますよね。しかし、一方で、自分の考えとは異なる他人の意見を聞いた時に「そんな意見はおかしい。何をいっているんだ」と批判的になってしまうのも、そのような脳の働きによるものです。自分の意見に集中するあまりに、他人の意見をロックアウトしてしまうのです。

だからこそ、人はそれぞれ異なる意見を持つものだ、そう普段から考えていれば、むやみやたらに批判することがなくなり、人とのコミュニケーションも円滑に、尊重し合える関係を築けるようになるのです。また、「今、自分は他人の意見を排除してしまっていないだろうか」「何かを見誤っているのではないか」と正常な自己批判の姿勢を持っていることも大切です。